何年か前、友人の友人が主催する味噌作りの会に茨城まで出かけた。焚き火をおこし、大豆を大鍋で煮て、レンタルしてきた機械で次々と潰し、味噌玉を作り何個もの樽に仕込む、という1日がかりの儀式。とても楽しかったけれど、もっと簡単に家でできないものかと思った。
その後、失敗してもいいやレベルで味噌を作っている。本格的ではないけど、パンを作るのに使うような大きな密封容器とスティックブレンダー、それに簡単な計りとサランラップがあればまずまず作れる。材料も大豆、乾燥麹、塩とシンプルそのもの。私は大豆1キロ、乾燥麹500g、塩50gくらいで作るがお好みである。食べていて大豆が粒のまま味噌化していることもあるが、ご愛嬌。
作り方は予想以上に簡単だ。まず大豆を茹でる。圧力釜があると便利だが、普通の鍋で大豆が沸いてしばらくしたら火を止め、古いバスタオルで包んでおくというやり方でもできるはず。なるべく柔らかく茹でるのがコツだ。その間に乾燥麹を粉々にし、塩を混ぜておく。さて、大豆を潰そう。少しずつ大きな密封容器に入れ、スティックブレンダーで潰す。どんどん加えてどんどん潰す。ここだけがんばればもう9割はできたも同然だ。全部潰したら麹と塩のミックスを混ぜ込む。もしも不安なら、大きな鍋なんかで全部作業をしてから密封容器に移すといいかもしれないが、洗い物を避けたい。最後にサランラップでぴっちりと蓋をして、タッパーの縁に塩を盛り、タッパーを閉めたらおしまいだ。後は数ヶ月に一回、かき回せば終わりである。だいたい半年後くらいから食べられる。
今では我が家の味噌はMy味噌である。何より放っておけばいいし、色が変わっていく様子に感動だ。味の方は特に大好評ということはないが、発酵を止めていない分、生きているものをいただいている感じがして安心である。