先日、数年ぶりに、子どもたちが赤ちゃんの頃からファミリーサポート(自宅での子どもの預かり)でお世話になっていたIさんからメールが入った。今中一になる次女が2ヶ月の頃から預かりをしてもらっていた方で、私の着物の先生でもある。本当に本当にお世話になった方で、だけれども娘たちが大きくなるにつれて、少しお付き合いが遠ざかっていた。
JICAなどの国際協力機関への勤務ののち大学教員になって、その1年目に留学生対象のプログラムを任された。その時に、フィールドを歩きながら学習するというリクエストがあった。その数年前に着物を祖母と母から(かなり押し付けるように)もらっていたのと、ちょうど谷根千にある大学にいたので、着物を来て案内できたら喜ばれるかなと思い、着物の着付けの資格を持っているIさんに相談して着付けてもらった。その時に3時間くらい下駄で歩いたのに、本当に着心地が良くて、留学生にも喜ばれた。そこで、Iさんにお願いして数回着付けを教えていただき、それから出かける時や仕事の際に、私なりにかなり適当簡単に、着物で出かけるようになった。その後の折々にメールや電話でアドバイスをいただいている。
Iさんから私に似合いそうな着物があるので譲ってくださるということで、あまりに嬉しくなって、いそいそと出かけていく。ちょうど着物を処分される方がいらして、その中から私の体型と好みに似合いそうなものをとっておいてくださったのだ。特に嬉しかったのは、黒がベースの大島つむぎを頂いたこと。そしてとても興味深いなと思ったのは、私がどういう着物が似合うと思っていただいているのかを通じて、私の好みを大袈裟かもしれないけれども再発見できること。頂いた着物は、あまり派手ではなく(柄は小さめ、あるいは地味目)、色も一色、ピンクなど甘い色合いより、全体に渋めでだけど渋すぎない感じ。染めより織りというチョイスだった。私の趣味をとても理解していくださっていて嬉しい。
そうやって頂いた着物は、当たり前だけれどもほぼ全部一点ものだ。前から歩いてくる人と同じ服を着ているという心配はまずない。そして、洋服だと派手すぎても着物だとおかしくない色もたくさんある。大した着物じゃないのに(本人としてはジーンズとカットソーくらいのもの)、若干割増に見えるところも助かる。手入れが面倒なものもあるけれども、それでもスーツをクリーニングに出す感覚だし、木綿やウールなら、スラックス用のネットに入れて手洗いで大丈夫。まあ、それなりに手間もあるけれども、今のところ、プラマイプラス3くらい。
秋から冬は着物が着やすい季節でもある。コロナも少し落ち着いてきたので、ようやく着物を楽しめるようになり、とても嬉しい。
着物に残っている匂いも含めてなんだか嬉しい