大阪の万博記念公園中にある、国立民族学博物館(通称みんぱく)で久々に対面の研究会があった。女性の人類学者(とかなり少数の男性研究者)が束になって集まり、月経についての研究発表をする会だ。おおらかで楽しい人が多いので行くことにする。前日の仕事が小田原近くだったのでそのまま新大阪に行きアパホテルに前泊、大浴場で疲れを癒した後(これは本当に良かった!)、やや怖いもの見たさもあり、備え付けのアパ関係者の自伝やら人生録やら雑誌やらを斜め読みする。ギラギラしていて疲れるが、そこも含めて一貫性はあると感心する。
次の日は少し早めに出て万博記念公園に到着、念願の「太陽の塔」の中を見ることにする。祖父が1970年の大阪万博で太陽の塔の下にある「お祭り広場」で世界の踊りを紹介するイベントをプロデュースしていたので、太陽の塔はその姿を見ると大きな家に帰ったような守護神のような存在だ。ここから民族学博物館までは徒歩で5分くらいの近さである。ここには祖父に連れられて、人類学という学問が存在することをしらないような小さな頃から通っていた。そして大人になってどういうわけか、うっかり人類学者になった。民族学博物館は(絶滅の危機も遠くないかもしれない)人類学者のサンクチュアリのようなところだから、私にとって万博記念公園のこの一帯は桃源郷や聖地やパワースポットが全部混ざったような場所である。
事前予約票を見せ、撮影できるように透明のスマホホルダー500円(この辺りの値段設定が関西に来た感じだ)を借り、中にはいる。そこにはちょうど太陽の塔の骨格のようなかたちの「生命の樹」が現れる。ネットの画像では度々みていたのだけれども、時を経ても長い間一般に非公開だったからか、かなり保存状態がいい。文字通り生命の歴史が 一本の木で表現されている。人類史のちっぽけな事、木のほんの上の方にようやく登場する。照明もサイケデリックで、岡本太郎は今までそんなにピンと来なかったけれども、これは表も中も本当にマスターピースだと思う。ちょうど表からは太陽の塔の肩から腕に見えているところの照明がジェットコースターの最初のところのようでその演出も素晴らしかった。
子どもも頃から大好きだった太陽の塔が更に好きになった。すごくしょんぼりすることがあれば(ないといいが)、また来よう!そうやって少しずつ未来に近づいていけると思うから。
デッサンも最高!